具体的なアプリケーションの使い方の前に、
そもそも、グラフィックデザインなんて素人ができるのか?って疑問ありますよね?
答えはおそらくNO。
デザイナーとしてお金をもらって食べているプロがいる反面、
資格等がなくても名乗れてしまうデザイナーという職業。
プロのデザイナーがプロたるゆえんはなんだろう?
そこで、僕が考えるプロのデザイナーがプロたるスキルは下記。
1=アプリケーションを使いこなすスキル。
これがまずはじめに浮かぶスキルだ。illustratorやPhotoshopを
使えるということ。
ワードやエクセルでも同じことが言えるが、アプリケーション内にはかなり多くの機能が含まれている。それを全て使いこなせている人は少ない。
それでもそれを仕事で使い、給料をもらっている人は沢山いるはず。
使える、使えないに明確な線引きはなく、
しいていえは、
「表現したいことが、表現できるか否か」が
1つの線引きになると思う。
成果物をイメージして、それが表現できるか否かの判断すらできないということであれば、
それはまだまだアプリケーションを使えていないということ。
また、さらに、
そもそもこれらのアプリケーションを所有していなければならない。以前は一括購入型でそれなりの金額がしたので、そこで若干のハードルがあがっていたが、
現在はサブスク型になっているので、導入のハードとは下がったはずだ。
ただ、筆で絵をかけるからといって画家を名乗れないのと同じで
アプリケーションが使えるだけではまだデザイナーとは名乗ってはいけないと考える。
2=「デザイン」の知識がある
デザインは感覚やセンスでつくる。というイメージがあるが
デザインの多くはそうではない。
デザインには基礎的な知識とされる細かいルールがる。
例えば、
フォントでいえば、
ゴシック体はカジュアルな印象をあたえ、
明朝体はカジュアルな印象をあたえる。
色でいえば、
赤は情熱的な印象をあたえ、
ブルーは冷静な印象をあたえる。
質感でいえば、
光沢のある質感は未来的な印象をあたえ、
かさかさした質感は古い印象をあたえる。
このようなルールが無数に存在してそれらを組み合わせて、デザインは作られている。
もしろん、センスや感覚も大事場合もあるが、
それだけではない。このような細かな知識の積み重ねが
センスと受け取られることもあるのだ。
ピンとこない方はこの辺を参考にしてほしい。
次の項にも影響するが、
デザインにはそれを受け取る相手がいるので、
自分のデザインが、受け取った相手に意図していない印象で受け取られてしまってはただの自分よがりなデザイナーとなってしまう。
それに加え印刷やディスプレイなどそれぞれのメディアに応じた
実務的な知識が必須となる。
3=意図をデザインに落とし込める
これがデザイナーの本質というか真骨頂だと思う。
この「意図」というのが多くの案件に置いて、
クライアントの意図ということになる。
この意図が
この写真とこの文字でデザインして欲しい
というような具体的なデザイン要素の意図から
ブランドのイメージをユーザーに伝えたいという抽象的な意図だったり、
さらには「売り上げをあげたい」という問題解決の意図をデザインに落とし込むケースもある。この場合、
売りたい商品のどこが特徴で、
その特徴をどのように「デザイン」したら
「ターゲット」に伝わるか?
そういったことまで考えてデザインできるようになれば、一流のデザイナーだ。
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と、デザイナーのプロたるゆえんを述べた。
じゃあ、やっぱりグラフィックデザインを素人ができない。
となってしまう。
なぜ、ここまで細かく説明したかというと、
デザインが出来上がるまでには、目には見えずらい専門的な知識、スキルが必要で
それは一朝一夕で身につけられることではなく、
ちょっと、アプリケーションを使えるようになったからといって
デザインをしていいわけでない。
ということを認識して欲しいからだ。
ただ、それには例外があり、
その例外が
自分がクライアントの場合だ。
自分がクライアントで
自分が思うままに表現しても
誰にも怒られることはない。
さらにメリットもあり、
2=「デザイン」の知識がある
の部分で説明したように、
デザインには知識やルールがある。
これにはジャンルやカテゴリにもよってことなり、
原宿のキャリーパミュパミュみたいなブランドと
高級ブランドでは必要な知識、ルールが異なる。
それぞれのカテゴリに得意、不得意なデザイナーもいて、
それはそのカテゴリに関する知識不足から来る場合多く、
そのミスマッチからよくないデザインが生まれることもある。
その点、自分がクライアントであれば、
そのカテゴリに精通していて、そのカテゴリのデザインをたくさん見ているはずだ。
多種多様なデザインをするのは無理でも
自分の精通するジャンルで
メディア(今回でいえば名刺)を限定できて
自分がクライアントであれば、グラフィックデザインをしても問題ない。
ということだ。